ニュースレター33号
2018/07/23
平成29年度 事業報告
【相談事業では】
電話相談が中心で、85人341件の相談を受けました。継続相談者32人、新規相談者41人、連絡事務・物品提供等が12人でした。新規相談者の主な相談内容は、DV・デートDV相談が31人、パワハラ2人、息子からの暴力2人、親との関係性4人、孤独2人でした。DV・デートDVが75%を占めています。新規相談者の年齢は20代3人、30代9人、40代8人、50代2人、60代11人、70代1人、不明7人でした。
【自立支援事業では】
全労災の助成事業(平成28年9月~平成29年8月)「母と子の心のケアプログラム」を4月から8月まで月に1回実施しました。母親グループは主に話し合いを中心として、子どもグループでは遊びを中心として暴力や支配について考えてもらう講座を行いました。
赤い羽根テーマ募金の助成で、35人に101回の面接同行支援をし、相談員の手当てや交通費手当も出すことができ、県内に出かけ面接も実施できました。
毎年恒例のリンゴ狩りは、天候は悪かったのですが、たくさんのリンゴをもいだり、食べたりして楽しく過ごしました。お正月は一人ですごされる人達に集まってもらい交流を図りました。
【一時保護事業では】
入所者は15家族27人、4部屋の利用日数は916日でした。15人の入所理由は、配偶者からの暴力が87パーセント、息子からの暴力が13パーセントだった。年齢構成は20代2人、30代3人、40代3人、50代3人、60代3人、70代1人でした。今年度の新たな試みとして入所者の子どもたちに学習支援をすることができました。
赤い羽根テーマ募金によってシェルターの水光熱費の助成、入所者への昼食提供を行いました。入所者と相談員が一緒に昼食をとることで相談員との関係性を築くことに繋がっていると思います。
宇部市DV自立支援助成金では、シェルターの食器棚や洗濯機の上の棚を設けることができ、シェルターの衛生面や使い勝手が良くなっています。
【啓発・研修事業では】
29度は、デートDV防止教育の山口きらめき財団からの派遣講師が2名に増えたので、授業をした学校は、宇部市の講師派遣事業と合わせて11校となりました。さらに、DV防止や対応についての講師派遣回数が12回、女性の貧困問題などの講師派遣も2回行いました。山口県男女共同参画フォーラム、連合メーデーフェスタではパネル展示を行っています。
NPO法人女性ネットSaya-Sayaの暴力を受けた女性と子どもたちへの同時並行心理教育プログラム「びーらぶプログラム」のインストラクター養成講座にきらめき財団の助成で参加することができました。当法人のインストラクターが2名となりましたが、まだ足りないので今後もインストラクターを増やしていく予定です。
ありがとうございました。
赤い羽根テーマ募金
29度の赤い羽根テーマ募金の助成では、同行支援費等にも当てますが、新しい事業として暴力以外を受けた女性とその子どもたちのための心理教育プログラム「びーらぶ」を試行的に行う予定です。母親用と子ども用のプログラムが同じテーマを同時進行で12回行います。学んだことを親子で話し合いができるようになっています。例えば、テーマは「安心な場」、「自分の感情を大切にする」「暴力をふるわない」など暴力や自尊感情を高める講座です。親子で同じテーマで学ぶことで、暴力の連鎖を防ぐことを目的としている。
このプログラムを実施するにあたって、インストラクターは5人必要ですが、今年度1人養成して3人になります。3人のインストラクターが揃った段階で、他の団体から2人のインストラクターに来てもらって、びーらぶプログラム県内で実施しようと思います。
シェルターからの報告
Aさんとこどもたちが入所されて1年になります。何もないところからの出発でした。専業主婦だったため、仕事も何年かぶりでした。陽気なAさんは職場でも人気者、一生懸命に働く姿は胸を打たれます。仕事場でも評価され、給料も上がっていきました。子どもたちも学校にも通い、すくすく育っています。仕事と学校を変わらずにAさんと子どもたちが過ごせるアパートを探すのは家賃の問題、保証人の問題などで至難の業でした。
四苦八苦した結果、Aさんたちにぴったりの物件と出会えました。不動産屋や大家さんの温かい配慮もあり、予定よりも広い物件が見つかり、大満足で転居となりました。転居先はシェルターの近くでもありますので、困ったときにはいつでも相談できるようにしています。
“ひきこもり”について考える
辻 龍雄
11月24日(土)午後2時から、精神科医の加来洋一先生、臨床心理士の安達圭一郎先生、お二人の講演会を開催致します。お話の内容は専門的になりますので、一般市民対象の公開講座には致しませんでした。
講演は、行政および民間の「対人援助を業務とする専門職」の方々に「限定公開」いたします。日本セーフティプロモーション学会は「外傷を予防することを研究する学会」です。外傷の中には、私たちが取り組んでいるDV・性暴力も含まれています。
受講を希望される方は、事前登録制にしていますので、学術大会のホームページから申込をお願い致します。受講に際しては学会参加費が必要となります。
一般演題は15分間の口演で、一般演題の受付期間は10月1日~31日です。対人援助の活動をされている様々な団体からのご発表をお待ちしております。
名称: 日本セーフティプロモーション学会 第12回学術大会
会期: 2018年11月24日(土)・25日(日)
会場: 山口大学医学部 霜仁会館
テーマ: “ひきこもり”について考える
大会長: 辻 龍雄 副大会長: 山根俊恵
プログラム:
11月24日(土) 特別講演
14:05~15:05 対人暴力のリスク評価と予防因子
―精神医学の立場からー
加来洋一先生 山口県立こころの医療センター 副院長
15:05~16:05 ひきこもりと生きにくさ
~対人関係療法による関わりをとおして~
安達圭一郎先生 山口大学大学院医学系研究科 教授
11月25日(日) 一般口演
09:00~14:00 一般演題
会員、賛助会員のみなさまへ
たくさんの物品や寄付をいただきました。
私どもの活動にいつもご理解と温かいご支援を賜り、誠にありがとうございます。
被害女性のためのシェルター活動や研修講座、被害女性の自立に向けての様々な事業を施行しております。私たちNPO活動の基本は、ご理解いただくみなさま方の意思と篤志に支えられております。どうか本年度も、多くのみなさまのご賛助ご支援を賜りますようお願いいたします。
振込用紙を同封いたしました。既にお振込みくださり、重複しましたらご容赦ください。
会員:年会費5千円、賛助会員:(個人年会費1口3千円、団体 年会費1口1万円)
郵便振替口座:01370-2-68031 口座名:山口女性サポートネットワーク
郵貯銀行 店番139 一三九店(イチサンキュウ店)当座0068031ヤマグチジョセイサポートネットワーク