ニュースレターNO.15
2009/07/27
Yamaguchi Support Network for Women 2009年7月 15号
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ニュースレター15号 |
総会を終えて
暑中お見舞い申し上げます。みなさま如何お過ごしでしょうか。
平成20年度の事業が終わり、5月10日に平成21年度総会を開催しました。
平成20年度の事業について報告します。電話相談は、月・火・水曜日に行っています。その相談件数は、延べ140件でした。全国共通DVホットラインでは、第2・第4水曜日の相談を担当しています。その相談件数は、75件ありました。メールでの相談が40回、面接相談が11件、手紙が1回となっています。相談内容は、新規の案件のみならず、前年度、さらにそれ以前からの被害者からの継続的な相談にも随時応じています。必要に応じて同行支援も行っています。
シェルター事業については、一時保護の委託が1家族2人16日、委託外の入所者が2家族4人47日、保護以外の利用が7人3日という状況です。入所者の付き添い支援は、警察2回、病院3回、裁判所2回、行政関係5回です。シェルターに入所された段階では大変混乱し、苦しんでおられましたが、退所頃には元気になられました。しかし、いざ自立となると大変躊躇されました。ステップハウス(シェルターと民間アパートや公営住宅に出るまでの中間施設で、自立に向けての準備をする)の必要性を痛感しました。
エスコート事業は、裁判所付添いが2回、弁護士事務所付添いが3回、病院付添いが4回となっています。
広報啓発事業では、ニュースレターの発行、イベント(周南市、下関市)に参加して啓発活動を行いました。又、昨年に引き続き、セーフ・プロモーション学会で、実践発表をしました。また、県内各地主催の人権講座などから講演依頼を受け、7回にわたり講演し、さらなるDV問題への理解を深める活動ができました。
研修事業は、11月に岡山市で開催された全国シェルターネットシンポジウムに7人が参加し、分科会「サバイバーの心のケア」を担当しました。辻龍雄氏の事例分析、古谷スマ子氏の事例発表についで、精神科医の竹下小夜子氏による「DV被害者の心のケア」について学びました。
アドボケーター養成講座(全国シェルターネット主催)も2月に岡山市で開催され、3人が参加しました。同時にホームページ作成の研修もありました。
自立支援事業としては、自助グループの活動は県南部で4回実施しました。職業支援としてのパソコン講座は延べ87回行っています。
支援の総数としては決して多いとは言えないのですが、個々人に応じたきめ細かい支援に努めており、密度の濃い支援活動が出来ているのではないかと思います。
今年度はさらにアドボケイト支援力の強化、性暴力被害者への有効な支援の為の研修なども実施し、当事者支援の充実を図りたいと思っています。
防府で「女性のためのさわやかコミュニケーション講座」を開設しました。
講座終了後は、月1回程度のお喋り会を開催する予定です。
さわやかコミュニケーション講座
わたしたち女性は、親子、家族、近隣との関係でなかなか自分の思いが伝えられない、伝わらないと感じることがよくあります。そこで、このような問題に関心のある方たちと一緒にコミュニケーション力をアップする講座を開催しました。講座終了後は、グループトレーニングやグループカウンセリングを通して、女性たちが気軽におしゃべりできる場所を、防府に作っていきたいと考えています。
女性サポートネットワーク防府(山口女性サポートネットワーク防府支部)
1) 7月11日(土)13:00~15:00 ルルサス防府2F研修室2
13:00~設立記念オープニング
13:30~15:00私のよさをみつけよう~交流分析から~ 女性サポートネットワーク防府
代表 澤田寿子
顧問 岡本早智子
2) 7月18日(土)13:30~15:00 ルルサス防府2F研修室2
私とあなたのよさを見つけよう
~アサーティブな関係からフェミニストカウンセリング~ 山口女性サポートネットワーク
代表 小柴久子
3) 8月1日(土) 13:30~15:00 ルルサス防府2F研修室1
さわやかなコミュニケーションづくりを学ぼう
~ピア・カウンセリングを通して~
山口女性サポートネットワーク
相談員 島田令子
参加料:受講1回500円 、3回全受講1000円(当日受付で)
申込方法,問合先:TEL 0835-22-0848(土日のみ) *随時受付可
e-mail sawata@h.email.ne.jp
*今後の予定 「おしゃべりしませんか?」
日時: 9月5日(土)13:30~15:00 会場:ルルサス防府2F
賛助会員のみなさまへ
新年度がはじまりました。私どもの活動に、いつもご理解と温かいご支援を賜り、真にありがとうございました。
被害女性のためのシェルター活動や研修講座、被害者・女性の自立へ向けてのパソコン教室など、様々な事業を試行しております。しかし、私たちNPO活動の基本は、ご理解いただく皆さん方の意思と篤志に支えられております。どうか、本年も、多くの皆さんのご賛助・ご支援を賜りますようお願いいたします。
振り込み用紙を同封いたしました。既にお振り込み下さり、重複しましたら、お許しください。
会員:年会費5千円、賛助会員(個人 年会費1口3千円、 団体 年会費1口1万円)
郵便振替口座:01370-2-68031 口座名:山口女性サポートネットワーク
郵貯銀行 店番139 一三九店(イチサンキュウ店) 当座0068031ヤマグチジョセイサポートネットワーク
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平成21年8月28-29日 青森県十和田市
第三回日本セーフティプロモーション学会抄録
被害者支援における民間シェルターの機能と役割について(第一報)
辻 龍雄 他
【目的】DV被害者の保護・自立支援については民間団体も大きな役割を担っており、被害者の多様な要望に応えるためには、官民の連携が不可欠であると認識されている。今回、地方自治体の民間シェルターへの財政援助状況に焦点をあてて調査を行ったので、その概要を報告する。
【方法】中国地方4県の4箇所と福岡県内の2箇所の民間シェルターの平成20年度事業計画報告書と決算報告書を基に調査し、必要な場合には補足的な取材を行った。
【結果】調査結果を表1に示す。
表1 民間シェルターへの地方自治体からの財政援助額比較(平成20年度)
略
【考察】この調査は、各地方自治体の援助額の多寡を指摘するのが目的ではなく、地方自治体のDVへの取組み姿勢の違いを検証していくことにある。今回の調査結果をみると、自主財源である会費収入は少なく、民間シェルターの活動は寄付金や行政からの援助で行われている現状が明らかになった。地方自治体からの援助は、一時保護体制の整備(家賃、夜間警備体制)、入所支援(移送、医療費用)、自立支援(自立に際しての家賃など初期費用)、支援体制強化(支援者の質の向上)、DV防止法対象外被害者保護などの事業に使用されている。公的シェルター(婦人相談所)では、高齢者や、DVで精神的なダメージを受けて医療ケアが必要な人、中学生以上の子どものいる人、公的シェルターになじめない人、子どもからの暴力などのDV法対象外被害者は保護されないこともある。官民が連携することで、初めて、こうした被害者の保護や自立支援を行うことができる。
DV法二十六条では、「国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るための活動を行う民間の団体に対し、必要な援助を行うよう努めるものとする。」と明記されているが、今回の調査によって、各都道府県における具体的な民間団体への財政援助には、かなりの地域差がみられることが判明した。今後、我々は、さらに調査範囲を拡げて官民連携の実態検証と要因分析を行う予定である。
全国共通DVホットライン 0120-956-080
月~土 10:00~15:00 (祝日年末年始を除く) 無料 全国の民間相談窓口が対応します。