ニュースレター22号
2013/01/12
Yamaguchi Support Network for Women 2013年1月 22号
YSNW Newsletter
山口女性サポートネットワーク
Tel &Fax (0836) 37-5611 http://www.dv-net.jp e-mail info@dv-net.jp
新春のお慶びを申し上げます
みなさまのご支援によって、無事、新年を迎えることができました。常日頃からのご支援に大変感謝しております。昨年4月からを振り返ってみますと様々なことがありました。
シェルター利用者は、4家族10人でこれまでにない90日の利用が有りました。山口県からの委託としての入所が難しく、90日のうち委託は11日しかありません。80日は自費利用となっています。所持金が皆無の人も有り、退所後に分割して支払うことになっている人もいます。人それぞれの抱えている問題は多様で、行政への同行や裁判所への同行なども必要になってきます。多様な支援を山口女性サポートネット側も安心して支援をすることができるように、委託費が出ない人に対して、助成団体からの助成を受けようと準備しているところです。
相談件数は年々増えて、様々な対応をしています。例えば、父子面会交流の場や、親との交渉の場に同席を求められることも増えてきました。第三者が入ることで、お互いに喧嘩をしないで済む場合も有りました。弁護士事務所や裁判所への同行も増えています。調停で終わらないで、裁判になっているケースもいくつかありました。
山口県との協働事業で「デートDV対応ノウハウ」という講演会を、講師に伊田広行氏を迎えて開催しました。大変反響がよく、78人の参加が有りました。また、その後、講演碌を基に小冊子『デートDV対応ノウハウ』を作成しました。相談現場や学校現場で使ってもらうことを念頭においています。「2012全国シェルターネットin阪南」という全国女性シェルターネット及び実行委員会が主催する研修会があるのですが、ここでも分科会を持ち、デートDVについての対応を検証しました。
私たちもデートDVという意識は無くてもこれまでたくさんの相談に乗ってきました。同居していない男女間で起きるDVです。この場合はDV防止法が適用できず、対応がとても厄介です。当事者はなかなか気づかない例が多く、結果的に結婚までいってDVと気付く例が多いのです。また、行動の制限や暴力を愛情と勘違いしていることもあって、なかなか表面化しにくいという特徴があります。そういう場合、当事者がまず気付くことが解決への第一歩です。そういう点において、中・高学校でのデートDV防止講座は大変有効だと考えられます。デートDV防止講座を、今年度すでに1回、3月までに3回行う予定があります。
多くの方から温かい支援を頂きました。クリスマスプレゼント用という名目で資金を頂きました。生活に困窮している人も有りますし、家族との交流がない人もおられます。何らかのプレゼントはとても喜ばれました。
物品を提供いただいた場合も家庭訪問という名目でお会いするチャンスを与えていただきました。
悲しいこともありました。相談に来られている方が、病気のため亡くなられました。残される子どものためにも生きてほしいと言い続け、本人も生きる積りでしたが、力尽きて7月に永眠されました。生き続ければ、きっと解決するケースでしたのに残念でした。生きることの大切さを教えられました。
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やまぐちきらめき財団理事長賞受賞
表彰状
貴団体は自主的主体的な
県民活動をとおして元気で
活力のある住みよい社会の実現に
大きく寄与されました
よってその功績をたたえここに
表彰します。
平成二十四年十一月十三日
公益財団法人山口きらめき財団
理事長 二井関成
上のようなきらめき財団理事長賞を11月13日に頂きました。
10年活動をしてきました。皆様の温かいご支援
によって支えられて、今日まで活動を続けることが
できました。これを機会に、より一層充実した支援
ができるよう研讃を積みたいと思っています。
今後ともよろしくご指導くださいませ。
会員、賛助会員の皆様へ
私どもの活動に、いつもご理解と温かいご支援を賜り、真にありがとうございました。
被害女性のためのシェルター活動や研修講座、被害者女性の自立へ向けての様々な事業を試行しております。しかし、私たちNPO活動の基本は、ご理解いただく皆さん方の意思と篤志に支えられております。どうか、本年も、多くの皆さんのご賛助・ご支援を賜りますようお願い致します。 振り込み用紙を同封いたしました。既にお振り込み下さり、重複しましたら、お許しください。
会員:年会費5千円、賛助会員(個人 年会費1口3千円、 団体 年会費1口1万円)
郵便振替口座:01370-2-68031 口座名:山口女性サポートネットワーク
郵貯銀行 店番139 一三九店(イチサンキュウ店) 当座0068031ヤマグチジョセイサポートネットワーク
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山口県警察 犯罪抑止対策室 子ども・女性安全対策班
辻 龍雄 tatsuo.tsuji@mx81.tiki.ne.jp
女性警察官たちが活躍している。山口県警察の子ども・女性対策班に、下関市で2例お世話になった。いずれも女性警察官が担当した。
事例1は、朝の電車内で女子高校生に近づき話かけつきまとう男。事例2は、深夜、アパートのドアの前にいて、ドアをあけようとする男。いずれも犯罪ではないが、犯罪へエスカレートしていく可能性は高く、現実、若い女性にとっては、迷惑この上なく、たまったものじゃない。
事例1では、警察が男に接触し、以後、その男は同じ車両にいても、女子高校生に近づきもせず、つきまとわなくなった。事例2は特定できない男だった。だが、警察は職場まで来てくれて、事情を聴き、対処方法を教えてくれた。彼女は警察に強い信頼感を持った。次に同じことが起きれば、彼女は、やって来てくれた女性警察官を思い浮かべながら、躊躇わずに110番通報するだろう。
もう10年以上前になるが、大学を卒業して就職したばかりの女性から相談を受けた。アパートの1階に入居し暮らしているが、夜、窓の外に男の気配がする。朝見るとタバコが何本も捨てられている。そうした日々が続くという。私は警察に相談するように助言して、彼女は相談にいったが、あの当時、警察は動いてくれなかった。結局どうなったか。「先生、お金かして。引っ越しする」。なんで、私が?と思ったが、彼女には逃げるしか道はなかった。
この約10年間に、警察は、「犯罪被害者支援室」、「ストーカー・配偶者暴力対策室」、「サイバー犯罪対策室」、「子ども・女性安全対策班」など、次々に新しい取り組みをしてきた。そして、随分変わっていった。女性警察官が捜査の第一線に立つようになったことも大きな変化だと思う。
平成12年に県警本部内で行われた性犯罪担当官(県内の若い女性警察官22名)を対象とした性犯罪捜査研修会の講師になったことがある。研修会を担当している捜査一課の幹部が、開催に先立ち、「これからは女性の諸君にも第一線に立って捜査に加わってもらう。」という趣旨の発言をされた。私は内心、「これからは」ということは、「これまでは」、捜査に加わっていなかったのか・・・、と思った。これが10年前のこと。
街の中を走るパトカーに女性警察官の姿がある。今回の事例でも、女性警察官が現われた。女性警察官が表に出てくることで、女性たちは警察に相談しやすくなるだろうし、子ども・女性への「犯罪抑止対策」という視点もすばらしいと思う。
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シェルター利用者Aさんより
私は、シェルターに入ることが決まった時、無味乾燥な部屋を想像していました。入所してみて想像とは大違いで、部屋も小奇麗で広く、食器にまで心遣いが行き届いていて、とても温かく迎えられました。
一杯のコーヒーが出た時、コーヒーカップがとてもきれいで、これまでの辛い心が癒されるようでした。広い家で寂しいかと思いましたが、一人になって心静かに過ごしている自分がとても不思議でした。スタッフの方たちも大変優しくて、生きる気力が湧いてきました。シェルターは居心地がよく、ずーっとここに住みたいと思いました。