ニュースレタ―46号
2024/12/13
事業の状況のお知らせ
「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(女性支援新法)が今年の4月から施行されました。それによって、県内の自治体から一時保護の相談などが増えています。市のDV相談員の意識も変わってきたと実感しています。また、女性支援新法は「女性の福祉、人権尊重、男女平等の視点に立ち、困難な問題を抱える女性一人一人のニーズに応じて、本人の立場に寄り添って、切れ目のない包括的な支援を行うこと」と謳われています。切れ目のない支援として、山口県は公的シェルターから県内のステップハウスとして民間3団体に委託しました。これまで公的シェルターで就職先や転居先が決まるまで保護されていましたが、緊急時を脱した入所者を早く社会に復帰して切れ目のない支援をするためにステップハウスが用意されました。当法人も委託を受けて、これまでのシェルターとは別にステップハウスとして新たに3DKの2室を契約し、すぐに住めるように家具家電や生活用品を用意しました。5月に1名、6月に1名の入所がありました。1人は12月に退所し、当法人の自立支援事業を利用しています。もう一人は退所まであと1歩となりました。
宇部市と公益社団法人日本ユネスコ協会連盟は、2023年9月28日に「子どもの未来共創に向けた連携と協力に関する協定」を締結しました。その一環として困難を抱える家庭の子どもたちの体験学習として「2024年夏の福岡体験旅行 8月8日~9日」日本ユネスコ協会主催に当法人も招待されました。他の団体の人たちと5家族18人と引率1人が、1泊2日のバス旅行に参加しました。福岡県はとても暑く36℃以上の暑い日でしたが、子どもも大人もたくさんのことを学んで帰ることができました。一日目はバスで福岡に出発し、照星館で昼食を摂り、太宰府天満宮の本殿は124年ぶりの「令和の改修」中で特別な「仮殿」をみることができました。九州博物館では、歴史を学ぶことができました。筑紫女学園大学では大学の案内や学生生活についての説明があり、実際にたくさんの本がある書庫を見学し、学食で大学生と交流しました。筑紫女学園大学に行きたいとか、大学に進学したいという気持ちを持った子どもたちもいました。原鶴温泉のホテルでは、夕食と朝のバイキングを楽しみました。二日目は、太刀洗平和祈念館では、戦前西日本最大の陸軍の航空拠点としての太刀洗飛行場と太刀洗陸軍飛行学校があったゆえに町中が大空襲にあったというアニメの映像を観てから、零戦闘機とB‐29爆撃機とが比較された展示場や知覧に派遣された若い特攻隊員の手紙などの展示を観ました。戦争の悲惨さや平和の大切さを学びました。その後、ホテル ザ・ルイガンズのプライベートビーチで海岸の清掃をし、海岸に打ち上げられているゴミを実際に回収したことは環境問題について考える機会となりました。ホテルでのバーベキューは肉をたくさん食べることができました。その後、マリンワールド海の中道で海の生き物をみることができました。イルカのショーで水浸しになりました。夏休みの楽しい思い出を提供できました。レクレーションと平和学習、歴史学習などが組み合わせられていました。子どもたちにたくさんの経験を提供できました。2025年3月には4人の子どもたちが、沖縄2泊3日の日本ユネスコ連盟協会の平和学習に参加する予定です。今年の夏から宇部市と日本ユネスコ連盟と連携ができるようになりました。
このような他団体との連携による活動や、学習支援、びーらぶプログラム、居場所づくりなどに参加する母親や子どもたちが少しずつ落ち着きを取り戻してきつつあります。母親が落ち着くことで子どもたちも安定してくることを実感しています。
シェルターからの報告
前回このニュースレター45号で寝具が足りないとお伝えしましたところ、たくさんの寝具(布団、毛布、タオルケット、布団カバーなど)が寄せられました。お陰様で、シェルターの押し入れはいっぱいになりました。皆様のご厚意に感謝します。この寒い冬も布団にくるまって過ごせそうです。
今年度は各市のDV相談や男女共同参画係などから連絡が入るようになりました。入所者の出身市の住民票や戸籍謄本を取るときも市役所の別室を用意してもらい、課の担当者が来て行政手続きをすることができたケースが何件もありました。加害者と出会うのではないかという不安もなく安心して書類を取ることができました。今年度は他県の公的シェルターからの入所や問い合わせもありました。また、退所後他県の施設に行くこともあり、これまでになく動きが大きくなっています。自治体の動きも法律が変わったことで、対応も変わってきているようです。一方、目的外使用で公営住宅を利用する場合、電灯もガス台もエアコンもついてなく暑い夏エアコンや網戸もない中で過ごした家族もあり、とても厳しい状況でした。
ありがとうございます。赤い羽根中央募金会様!
赤い羽根中央募金会の助成金(2023年12月~2024年12月)によって、シェルターの家具備品を新調することができました。これまでみなさまから頂いた家具家電で揃えておりましたが、退所する人たちに提供していますので、シェルターの家電が無くなります。それを中央募金会の助成金でテーブル、電子レンジ、洗濯機、冷蔵庫などを新調することができました。また、外国籍の母親とその子どもの支援をすることができました。子どもには学習支援を、母親には日本語教室でパソコンを使って日本語を書く練習をしました。毎週簡単な食事を提供しています。子どもたちは学習に抵抗がありましたが、母親が熱心に日本語学習する姿を見て少しずつ学習する姿勢が出てきました。そのうち学校の勉強が分かるようになると、分からなかったところを教えて!と言えるようになり、テストの点数も上がるようになり、学習意欲が出てきました。根気よく継続する必要があることを実感しました。
令和6年度山口県赤い羽根テーマ募金のご協力をお願いします。
対応期間 2025年1月~3月
これまで毎年赤い羽根テーマ募金にご協力をありがとうございます。今年も共同募金会のテーマ募金が始まります。このテーマ募金の振込用紙で振り込まれた金額がそのまま共同募金会からの助成として当法人に渡してもらえます。今年度のテーマ募金の使い道はシェルター入所者の入所時の食料、衣類などの購入、洗剤、調味料などを購入、相談員の同行支援費に使います。
入所者は荷物の取り出しや警察との対応などでシェルターに着いた時は疲労困憊しています。その時、「冷蔵庫に食料が詰まり、温かい夕食も用意してあったので、ものすごくホットした。生きていけると思った。」と入所者は当時を振り返って言われます。「翌朝のパンの用意もされて、私は生きてもいいんだと思いました。」という声もありました。温かいシェルター運営をしていきたいと思っております。
是非みなさまのご協力をお願いします。
会員、賛助会員のみなさまへ
私どもの活動にいつもご理解と温かいご支援を賜り、誠にありがとうございます。
被害女性のためのシェルター活動や被害女性の自立に向けての居場所づくりなど様々な事業を実施しており
ます。私たちNPO法人の活動の基本は、ご理解いただくみなさま方のご意志とご篤志に支えられております。どうか本年度も、多くのみなさまのご賛助ご支援を賜りますようお願いいたします。
振込用紙を同封いたしました。既にお振込みくださり、重複しましたらご容赦ください。
会員:年会費5千円、賛助会員:(個人年会費1口3千円、団体年会費1口1万円)
郵便振替口座:01370-2-68031 口座名:山口女性サポートネットワーク
物品の提供をありがとうございました。
たくさんの物品をありがとうございます。シェルターの備品や入所者への提供物として活用させていただいています。
身近にDV被害者がいたら
弁護士 鈴木 朋絵
このニュースレターを読んでくださっている方の中には、ご自身の知人友人、親族、仕事で出会う方の中に、DV被害を受けているのではないかと気づくこともあるかもしれません。
そのときにどうしたらいいのか。
まず、「それはDVだと思う」と本人にコメントすることがとても大切です。ご本人が気づくきっかけになります。気づくことで次のアクションにつながる可能性が生まれます。
指摘しても、本人が否定するかもしれません。DV加害者との生活をぎりぎりの低空飛行で続けているときに、現実に気づいて状況を変えるのはエネルギーがいることです。事実が見えてくるのに時間がかかることはおうおうにしてあります。
でも、叩かれた後などのあざを見つけることもあるでしょう。「警察に行こう」「DV相談に行こう」と声をかけたくなると思います。その思いのまま、声をかけても、ためらう反応しか返ってこないかもしれません。
そんなとき、ぜひお願いしたいのは、あせらないでほしいということです。心配している方の気持ちをくんで、すぐには動こうとしないかもしれませんが、聞いていないわけではないのです。弁護士相談にきてくださった方たちの多くが、「長年悩んでいて、友人たちからも言ってもらっていた」とお話してくださっています。理解し、そして動くためには、動くことの安全性を確認しないと動くことができないからです。
「とりあえず、そのあざの写真だけは撮っておきましょう」と働きかけてほしいです。可能ならば、時間がたっていても、整形外科(打撲や骨折の有無を確認する)や脳外科(頭部への外傷の影響を確認する)、内科や心療内科(精神的DVによる心理的ダメージを相談)への受診をすすめられたらすすめてほしいです。何があったか、メールやLINEで書いて送ってもらうという方法も考えられます。少し、証拠化をお助けしてくださると、いつか、ご本人が動くときの助けになります。
見ていられない気持ちになるかもしれませんが、ハードルの低いアクション、例えば話だけでも聞いてもらうということで、電話相談やメール相談をすすめてみる、自治体のDV相談員のところに一緒に行く、などをすすめてみることも考えていただけたらと思います。山口女性サポートネットワークも電話相談もつながりサポートも間口を広げてお待ちしています。
女性のためのつながりサポート山口
様々な困難な問題を抱える女性たちのための支援です。非正規雇用、女性の低賃金、公共料金や物価の
高騰による生活の不安、家事・育児の負担、ワンオペ育児、子育ての悩み、DV、親子関係、職場や近隣の
人間関係、介護の問題、病気の辛さ、医療費や教育費の負担・・・など一緒に考えていきます。
毎週月~金曜日(年末年始・祝日を除く)10:00~20:00
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