2018年度(平成30年度) 活動報告

2018年度もNPO法人山口女性サポートネットワークの活動を支援していただき、ありがとうございました。

2018年度は、DV被害者とその子どもの安全を守るシェルター支援を継続するとともに、退所後の生活再建や子どもの学習支援など、自立に向けた支援を行いました。また、デートDV防止教育や支援者向け研修を通じた予防・啓発にも取り組み、DV家庭で傷ついた子どもたちの回復を支える心理教育プログラム「びーらぶ」の実施に向けて、インストラクターの養成を進めました。

DV被害者へのシェルター支援

安全な避難場所を提供し、生活の立て直しを支えました。

2018年度は、18家族・33人をシェルターで受け入れ、延べ829日にわたって利用されました。

入所者への面接を268回行い、市役所や裁判所などへの同行支援も76回実施しました。必要な行政手続きや司法手続きに寄り添いながら、安全な避難からその後の生活まで支援しました。

また、シェルターの安全性を高めるため、山口県から夜間警備保障費の援助を受けるとともに、宇部市の助成を活用して人感センサーライトと24時間防犯カメラを設置しました。

一方で、シェルターの利用希望者が増え、満室のため入所を待ってもらったり、受け入れを断らざるを得ない状況も生じていました。背景には、シェルター退所後の住まいを確保することの難しさがありました。

シェルター退所後の自立支援

シェルターを出た後も、生活再建を支えました。

シェルターを退所した女性に対しても、支援を継続しました。

2018年度は、シェルター退所者35人に対して116回の面接を行い、市役所や裁判所などへの同行支援を116回実施しました。

離婚調停などの手続きは退所後に始まることも多く、生活を立て直す過程では継続的な支援が必要です。シェルターを退所したからといって支援を終えるのではなく、困ったときに気軽に相談できる関係を大切にしました。

また、退所後の子どもへの学習支援を37回実施したほか、花見やリンゴ狩りなど、退所者とその子どもたちが安心して交流できる機会も設けました。

子どもへの支援

DVの影響を受けた子どもたちの学びと成長を支えました。

DV家庭の子どもたちへの支援にも取り組みました。

シェルター入所中の子どもに対して14回の学習支援を行い、退所後の子どもにも継続して学習支援を実施しました。

また、親子での花見やリンゴ狩りなどのイベントを通じて、子どもたちが安心して遊び、異なる年代の子ども同士で交流できる機会をつくりました。

DVによって傷ついた子どもたちが、安心できる環境の中で過ごし、学びや人とのつながりを取り戻していくことを大切にしました。

「びーらぶ」の実施に向けた準備

子どもたちの心の回復を支える新たな取り組みへ。

2018年度は、DV被害を受けた女性とその子どもたちのための心理教育プログラム「びーらぶ」を山口県内で実施するため、その準備を進めました。

「びーらぶ」は、暴力を受けた子どもたちが、暴力を自分の責任だと思い込まず、暴力を使わずに人と関わる方法を学ぶためのプログラムです。

2018年度はインストラクター養成講座への参加などを進め、地域でプログラムを実施できる人材を育てる準備を行いました。

翌年度には、山口県内で継続的に「びーらぶ」を実施できる体制をつくるため、さらにインストラクターを増やしていくことになりました。

デートDV防止教育・啓発

若い世代に、暴力のない関係について伝えました。

2018年度は、13校の高校で2,865人、3校の中学校で261人を対象に、デートDV防止教育を実施しました。

若い世代がDVやデートDVについて知り、自分と相手を尊重した対等な関係について考える機会を提供しました。

また、DV被害者支援講座の講師を4回務めたほか、男女共同参画に関するフォーラムやイベントでパネル展示を行い、DVについて広く知ってもらうための啓発活動にも取り組みました。

支援者の研修・人材育成

支援の質を高めるため、スタッフも学び続けました。

スタッフは、全国シェルターシンポジウム、山口県DV被害者支援関係者研修会、「びーらぶ」インストラクター養成講座、日本子ども虐待防止学術会議などに参加し、DVや虐待、子どもへの支援について学びました。

また、「びーらぶ」の実施に向けた人材育成を進め、地域で継続的に支援できる体制づくりを進めました。

親子を一緒に守るために

法制度のすき間にある親子を支えるように取り組みました。

2018年度の活動を通じて、DV被害を受けた親と子どもを一緒に守ることの難しさも大きな課題となりました。

配偶者間の暴力が確認できない場合や、身体的暴力ではなく精神的暴力が中心の場合など、制度上の理由から一時保護につながりにくいケースがあります。また、子どもへの虐待が確認された場合、児童相談所による保護では親子が分離される可能性があります。

こうした制度のすき間を埋め、親子が離れることなく安全に避難できる場所を提供し、その後の自立まで支えることは、民間シェルターだからこそできる重要な役割です。

2018年度は、こうした課題についても発信し、支援のあり方を考える機会としました。

来年度もよろしくお願いします。

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