2023年度(令和5年度)活動報告

本年度もNPO法人山口女性サポートネットワークの活動のご支援をいただき、ありがとうございました。

2024年4月の女性支援新法の施行を見据え、2023年度は新たな支援事業を試行しました。これまでのDV被害者支援に加え、さまざまな困難を抱える女性や子どもを対象に、相談支援、居場所づくり、学習支援など、支援の幅を広げました。

DV被害者へのシェルター支援

2023年度は、30家族をシェルターで受け入れました。これは、これまでで最も多い入所者数となりました。

シェルターには、DV被害を受けた女性だけでなく、「つながりサポート山口」への相談をきっかけに、一時的に安心して過ごせる場所を必要とした女性も入所しました。

入所期間は、10日以内の短期から半年以上に及ぶケースまでさまざまでした。経済的な困窮や、退所後の安全な生活への不安など、複数の困難を抱えているケースもあり、一人ひとりの状況に応じた支援を行いました。

退所後は、公営住宅や民間アパート、施設など、それぞれの状況に応じた生活の場へつなぎました。

「つながりサポート山口」による相談・支援

2023年度は、山口県から受託している「つながりサポート山口」を通じて、DVだけでなく、孤独や不安、病気、仕事、人間関係、家庭の問題など、さまざまな困難を抱える女性からの相談を受けました。

電話・メール・SNSによる相談に加え、相談者の住まいの近くまで出向いて面接相談を行うなど、相談する人の状況に合わせて支援を届けました。

2023年4月から12月末までの実績は、電話相談1,366件、メール相談187件、SNS相談49件、訪問面接48件、緊急避難者への面接同行など23件となりました。

年代別では20代からの相談が414件、30代が383件と、若い女性からの相談も多く寄せられました。

相談内容では、不安など心の問題が最も多く、病気、仕事、人間関係、家庭の問題などが続きました。

また、毎週金曜日には「相談カフェ」を開催し、軽食を提供して、誰かと話したい、孤独を感じているといった女性が安心して過ごせる場をつくりました。

シェルター退所後の自立支援

シェルターを退所した後も、離婚調停や裁判、生活上の不安など、さまざまな課題が続きます。

2023年度は、弁護士事務所や裁判所への同行など、退所後の生活に必要な支援を継続しました。

また、シェルターを退所した女性が孤立しないよう、月2回の居場所を開催しました。ここでは、同じような経験をした人やスタッフと話したり、子どもを遊ばせたり、昼食を一緒に食べたりしながら、安心して過ごせる時間をつくりました。

シェルターを出た後も人とのつながりを持ち続けられることが、新しい生活を始めるための支えとなりました。

子どもへの学習支援

2023年度は、困難を抱える家庭の子どもたちへの学習支援にも取り組みました。

9月からは相談カフェの場を活用して、小学生を対象とした学習支援を試行しました。

これまで、身近に勉強を見てくれる大人がいなかったため、学校の授業だけでは十分に学習内容が身につかない子どももいました。

一人ひとりの理解度に合わせて学習を進めることで、少しずつ「分かる」ことが増え、学習への意欲が高まる様子も見られました。

この取り組みを通じて、子どもたちへの継続的な学習支援の必要性を実感し、今後は相談カフェとは切り離した形での支援へと発展させていくことになりました。

「びーらぶ」による子どもと母親への支援

DVなどの暴力を経験した家庭では、子どももまた傷ついています。

2023年度は、心理教育プログラム「びーらぶ」を通じて、子どもと母親が一緒に「暴力とは何か」「被害を受けた自分に責任はないこと」「非暴力で人と関わること」などを学ぶ取り組みを進めました。

このプログラムは、暴力を経験した子どもが暴力に慣れたり、自分が被害者・加害者となることを防ぐとともに、母親と子どもの自己肯定感を高めることを目的としています。

また、プログラムを地域で継続して実施できるよう、インストラクター養成に向けた準備も進めました。

若い女性や孤立した女性のための居場所づくり

2023年度は、相談窓口だけではなく、女性が気軽に立ち寄り、人とつながることができる居場所づくりにも取り組みました。

「相談カフェ」では、軽食をとりながらスタッフや参加者同士で話す時間を設け、孤独を感じている人や、ちょっとしたことを誰かに話したい人が安心して過ごせる場を提供しました。

遠方に住んでいて相談カフェに来ることが難しい人には、訪問面接などを通じて支援を届けました。

相談することへのハードルを下げ、「困ったときに誰かとつながれる場所」を地域の中につくることを大切にしました。

来年度もご支援をよろしくお願いいたします。

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