2009年度は、DV被害者への相談・シェルター支援を継続するとともに、シェルターを退所した後の生活を支える「自立支援」に力を入れました。自助グループの活動やパソコン講座、必要な手続きへの同行などを通じて、一人ひとりの生活再建を支えました。また、全国ホットラインへの参加や研修、講演・学会発表などを通じて、DV被害者支援について地域や全国に発信しました。
相談・シェルター支援
相談から安全な避難、その後の生活まで支えました。
2009年度は、通常の電話相談に延べ120件、全国共通DVホットラインに98件、メール相談25件、面接相談11件、手紙による相談1件に対応しました。
新たに寄せられた相談だけでなく、前年度以前から継続して相談を受けている人にも対応し、必要に応じて行政や裁判所などへの同行支援を行いました。
シェルターでは、委託による一時保護として1家族・1人、37日、委託外では1家族・1人、69日の入所がありました。
入所者への付き添い支援も行い、病院5回、裁判所2回、行政関係2回、そのほか14回の同行を実施しました。
退所後の自立支援
2009年度は、シェルター退所後の支援を「自立支援」と位置づけ、相談、同行支援、自助グループなどの取り組みを進めました。
DVから逃れた後も、離婚調停や財産分与、住まいや仕事など、生活を立て直すまでにはさまざまな課題があります。2009年度には、財産分与に関する調停を約1年かけて支援し、本人が納得できる結果に至ったケースもありました。
また、前年度の3月にシェルターへ入所した人についても、退所後ほぼ1年間にわたり支援を継続しました。
自助グループ
同じ経験を持つ人とつながる場をつくりました。
防府で自助グループの活動を始めました。
DV被害から逃れた後には、安全が確保されても孤独や不安を感じることがあります。同じ経験をした人と話したり、安心して交流したりすることが、生活を立て直す力につながります。
こうした経験を踏まえ、翌年度には山口県から委託を受け、県内3か所で自助グループを開催することにつながっています。
パソコン講座・就労支援
自立支援の一環として、職業支援のためのパソコン講座を延べ64回実施しました。
シェルターを退所した女性が、仕事や生活を立て直していくために必要なスキルを身につけられるよう、具体的な学習の機会を提供しました。
全国ホットラインへの参加
全国共通DVホットラインでは、第2・第4水曜日の相談を担当し、98件の相談を受けました。
また、内閣府の全国DVホットラインへの参加や、全国女性シェルターネット主催の「ふらっとプログラム」への参加を通じて、地域のシェルター利用者だけでなく、全国のDV被害者支援にも関わりました。
「ふらっとプログラム」・交流の場
全国女性シェルターネットが内閣府の委託を受けて実施した「ふらっとプログラム」に参加しました。
シェルターを利用した女性やその家族を対象に、バーベキューやお正月会など、普段とは違う場所で安心して過ごせる交流の機会をつくることができました。
「一人で過ごしていた正月を、誰かと一緒に過ごせた」という経験や、同じような体験をした人との交流が、退所後の孤独を和らげ、これからの生活を前向きに考えるきっかけとなりました。
研修・人材育成
全国シェルターネットのシンポジウムに3人が参加したほか、全国女性シェルターネット主催の性被害支援研修会にもパネリストとして参加しました。
また、内閣府の全国DV研修や県内の研修にも参加し、DVだけでなく、性暴力や虐待、子どもへの影響などについて学びました。
調査研究
日本セーフティ・プロモーション学会での実践発表や学会誌への報告、国際セーフ・コミュニティ会議での発表など、現場での支援を通じて見えてきた課題を、地域だけでなく全国・海外にも発信しました。
特に、DVと児童虐待が同じ家庭の中で同時に起きているにもかかわらず、支援制度が分かれていることなど、現場から見える課題について問題提起を行いました。


