2004年度(平成16年度) 活動報告

2004年度は、DV被害者への相談・一時保護を継続するとともに、シェルター退所後の自立を支えるための支援や、同じ経験を持つ女性がつながる自助グループの活動を続けました。また、フェミニストカウンセリングを学ぶ人材育成や、家庭裁判所の調停委員へのDV研修などを通じて、支援の専門性と関係機関との連携を深めました。改正DV防止法の施行を受け、山口県に対してDV基本計画の策定や自立支援体制の充実を求める提言も行いました。

相談・シェルター支援

2004年度も、ホットラインによる相談を中心に、DV被害者からの相談に対応しました。

活動開始から4年が経過し、相談内容はより深刻になり、緊急時の一時保護だけでなく、離婚や生活、子どものことなど、長期にわたる相談も増えていました。

シェルターでは、入所者の安全を確保しながら、必要に応じて市役所や裁判所などへの同行支援を行いました。

また、シェルターを退所した後も、離婚調停などへの同行や継続的な相談を行いました。こうした支援を通して、一時的な避難だけではなく、その後の生活再建まで支える必要性が明確になっていきました。

自助グループ

2004年度も、自助グループを継続して開催しました。

自助グループでは、DVを経験した女性たちが自分の経験や思いを語り合い、家庭の中で女性が置かれている状況について考えました。

年度中には、自助グループのメンバーが国立婦人教育会館の「女性学・ジェンダー研究フォーラム」に参加し、「あたしんちの出来事」というワークショップを実施しました。約20人が参加し、家庭の中での女性の立場について語り合いました。

フェミニストカウンセリングの学び・人材育成

2003年度から2年間にわたって行われたフェミニストカウンセラー養成講座を修了しました。

月2日、1回8時間、全20回の講座で、心理学、セクシュアリティ、DV・性暴力、母娘・子育て、アディクション、自己尊重、アサーティブ・トレーニング、面接技法、グループトレーニングなど、幅広い内容を学びました。

単に相談技術を学ぶだけでなく、女性自身が自分を肯定し、自分の人生を自分で選択していくための支援について学び、日々の相談活動に生かしました。

家庭裁判所との連携

山口家庭裁判所の新任調停委員研修会でDVについて講演しました。

シェルター利用者への離婚調停同行などを通じて感じてきた、DV被害者が調停の場で抱える困難について伝えました。

特に、DV被害者が自分の経験を話すまでには時間がかかること、精神的な被害が大きいほど周囲から誤解されやすいこと、子どももDVの影響を受けている場合があることなど、支援現場から見える課題を伝えました。

改正DV防止法を受けた県への提言

2004年6月に改正DV防止法が公布され、都道府県にDV基本計画の策定が求められました。

これを受け、山口女性サポートネットワークは2004年10月、山口県知事に対してDV施策の強化を求める要望書を提出しました。

要望では、相談・一時保護体制の充実だけでなく、被害者と子どもの心理的ケア、就労・資格取得などの自立支援、住宅確保、ステップハウスなどの中間的な住まい、関係機関の研修、民間支援団体との連携などを求めました。

これは、その後の活動で重要になる「シェルターを出た後の生活をどう支えるか」という課題を、県の政策としても位置づけるための取り組みでした。

全国シェルターシンポジウムへの参加

2004年10月に米子市で開催された「第7回全国シェルターシンポジウム鳥取2004 in よなご」に参加しました。

「DVゼロをめざして!~なくそう暴力!協働で変わる社会~」をテーマに、DV改正法・基本計画、自立のための行政との協働、医療関係者との連携、DVと子どもの問題などについて、全国の支援者と学びました。

山口女性サポートネットワークも、「自立のための行政との協同」「医療関係者との連携」「DVと子どもの問題」などの分科会に参加し、他地域の取り組みや支援方法について情報交換を行いました。

女性の自立についての発信

2004年度は、DV被害者の自立について、心の回復だけでなく経済的な自立や生活設計まで含めて考える必要性を発信しました。

DVから逃れた後も、仕事、住まい、生活費、子どもの養育など、さまざまな課題があります。支援を続ける中で、女性が自分の生活を自分で選択できるようになるための支援が重要であることを改めて確認しました。

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