2008年度(平成20年度) 活動報告

2008年度は、DV被害者への相談・一時保護を継続するとともに、シェルターを退所した後の生活再建を支える自立支援に取り組みました。自助グループやパソコン講座などを通じて、生活や仕事に向けた支援を行う一方、行政・警察・医療機関などへの同行支援も実施しました。また、DVについて地域に伝える啓発活動や、支援者の研修・人材育成にも力を入れました。

相談・シェルター支援

2008年度は、通常の電話相談に延べ140件、全国共通DVホットラインに75件の相談が寄せられました。そのほか、メール相談40件、面接相談11件、手紙による相談1件にも対応しました。

新規の相談だけはありません。前年度以前から相談を続けている人にも継続的に対応し、必要に応じて同行支援を行いました。

シェルターでは、委託による一時保護として1家族・2人、16日、委託外では2家族・4人、47日の利用がありました。

入所者への付き添い支援として、警察2回、病院3回、裁判所2回、行政関係5回の同行を行いました。避難直後の混乱した状態から、少しずつ心身を落ち着け、その後の生活を考えられるよう支援しました。

退所後の自立支援

本年度は、シェルターを退所した女性への支援にも継続して取り組みました。

裁判所への同行を2回、弁護士事務所への同行を3回、病院への同行を4回実施するなど、離婚や生活再建に必要な手続きを支援しました。

シェルターを退所する頃には元気を取り戻していても、いざ一人で生活を始める段階になると、不安や迷いが大きくなりがちです。こうした経験から、シェルターと民間アパートや公営住宅との間をつなぐ「ステップハウス」の必要性を強く感じるようになりました。

自助グループ

自立支援事業として、県南部で自助グループを4回実施しました。

DV被害を経験した女性が、安心できる場で自分の思いや悩みを話し、同じ経験を持つ人とつながる機会をつくりました。

シェルターを退所した後の生活では、孤立や不安を抱えることもあります。こうした場を通じて、安心して人と関わりながら、自分の生活を少しずつ立て直していくことを支援しました。

パソコン講座・職業支援

職業支援の一環として、パソコン講座を延べ87回実施しました。

新しい生活を始めるためには、住まいの確保だけでなく、仕事や収入を得るための準備も必要です。パソコンを学ぶ機会を提供し、就労や生活の自立につながるスキルを身につける支援を行いました。

啓発・調査研究

本年度は、地域での講演や啓発活動に加え、学会や全国シンポジウムなどを通じて、DV被害者支援の現場から見える課題を発信しました。

周南市、下関市などのイベントに参加したほか、県内各地の人権講座などから依頼を受け、7回の講演を行いました。

調査研究発表

10月には日本セーフティ・プロモーション学会で、「高齢期におけるDV被害者支援の課題」について発表しました。

高齢期のDVでは、長年の夫婦関係や「今さら別れなくても」という周囲の意識に加え、年金や健康保険、住まいなど、若い世代とは異なる生活上の課題があります。特に、DVから逃れた後の住居や経済的な生活基盤を確保する難しさについて、支援の現場から発信しました。

さらに、国際セーフ・コミュニティ会議でも発表を行うなど、DV被害者の安全を守るために、地域・行政・民間団体がどのように連携できるかについて発信しました。

デートDVについて

また、国際ソロプチミスト防府から助成を受け、「デートDVの啓発及び、DV被害者のためのシェルター支援」を進めました。

デートDVについて若い世代に伝える活動と、実際にDV被害から逃れてきた人を支えるシェルターの運営を両輪として取り組みました。

地域からの助成や寄付を活動につなげながら、DVを未然に防ぐ啓発と、現在被害を受けている人の安全を守る支援の両方を進めました。

研修・人材育成

2008年度は、岡山市で開催された全国シェルターネットのシンポジウムに7人が参加し、分科会「サバイバーの心のケア」を担当しました。

DV被害者の心のケアについて専門家から学び、実際の支援について事例を通して考えました。

また、全国シェルターネット主催のアドボケーター養成講座に3人が参加しました。支援者が被害者の権利や意思を尊重しながら必要な支援につなげるための知識・技術を学びました。

女性のためのコミュニケーション講座

安心して話せる関係づくりを支援しました

2008年度には、防府市で「女性のためのさわやかコミュニケーション講座」を開催しました。

自分の思いをうまく伝えられない、相手との関係に悩んでいるといった女性を対象に、交流分析、アサーティブな関係、フェミニストカウンセリング、ピア・カウンセリングなどをテーマに学ぶ機会をつくりました。

講座終了後も、グループトレーニングやグループカウンセリングを通じて、女性たちが気軽に話せる場を地域につくっていくことを目指しました。

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