2011年度は、DV被害者への相談・緊急一時保護を継続するとともに、シェルターを退所した後の生活再建を支える自立支援に取り組みました。自助グループやパソコン教室、ステップハウスの運営など、生活を立て直すための支援を広げました。また、デートDV防止教育を学校で始めるなど、DVを未然に防ぐための啓発にも取り組みました。東日本大震災の発生後には、被災地支援のためのホットラインにも参加しました。
相談・緊急一時保護
相談から安全な避難まで、一人ひとりに寄り添いました。
2011年度、山口女性サポートネットワーク単独での相談は338件でした。電話相談では、DV被害を受けている最中の相談だけでなく、シェルター退所後の生活や離婚調停・裁判などについての相談も寄せられました。
一人の相談者から継続して相談を受ける中で、生活や心の状態の変化に合わせて相談内容も変わっていきます。電話だけでは十分に話し合えない場合には、実際に会って面接するなど、相談者との信頼関係を築きながら支援しました。
また、全国から寄せられるホットラインにも参加し、1,000件を超える相談を受けました。
緊急一時保護では、年度中に4人を受け入れました。利用は1~3泊程度の短期間でしたが、その後も継続して支援し、1年かけて離婚に至ったケースもありました。短期間の保護であっても、安全な場所で落ち着いて考える時間を持つことが、その後の生活につながることを実感した年度でした。
自立支援・自助グループ
避難した後の生活再建を支えました。
シェルターを退所した後も、生活を立て直すための支援を続けました。
2011年度は、自助グループを県内4グループで実施しました。同じような経験を持つ人と出会い、悩みを話し合うことで、「自分だけが悪いのではない」と気づき、自信を取り戻していく人もいました。
また、夏と冬の年2回の合宿を行い、参加者同士が安心して交流できる場をつくりました。
グループで話すことが難しい人には、個別に話を聞く時間も設けました。電話では話しにくい場合には面接を行い、時間をかけて話す中で少しずつ元気を取り戻し、問題解決に向かうことができるよう支援しました。
パソコン教室・生活再建支援
パソコン教室で、新しい生活に向けた力を身につける機会をつくりました。
自立支援事業の一環として、パソコン教室を開設しました。
シェルターを退所した後の生活を安定させるためには、住まいの確保だけでなく、仕事や生活に必要なスキルを身につけることも重要です。パソコンを学ぶ機会を提供し、就労や自立に向けた支援を行いました。
また、ステップハウスとしてマンションの一室を提供してもらい、シェルターを退所したものの、すぐに新しい住まいを確保することが難しい人に提供しました。
地域から寄せられた家電や布団などの生活用品も必要な人に届け、2011年度は2人に家電を提供しました。全国女性シェルターネットが仲介する自立のための資金支援についても、2件を紹介しました。
デートDV防止教育
2011年度の大きな取り組みの一つが、デートDV防止教育の開始です。
山口県や宇部市からの依頼を受け、高等学校、専門学校、大学などで授業を行いました。年度内に5校で実施し、若い世代に向けて、交際相手からの暴力や支配について伝えました。
これまでDV被害者への支援を中心に活動してきた中で、若者への予防教育にも取り組み始めたことで、活動の幅が広がりました。
DV被害者を理解するための啓発
山口県男女共同参画協働事業として、介護事業者を対象に「DV被害者を理解するセミナー」を開催しました。
DVの基本的な知識だけでなく、被害者への関わり方、安全確保、守秘義務、本人の自己決定を尊重すること、二次被害を防ぐことなど、実際の支援につながる内容を扱いました。
また、他団体が主催する研修会にも講師として派遣され、DV被害者への理解を広げる活動を行いました。
研修・人材育成
全国シェルターシンポジウムや、内閣府主催のデートDV防止教育研修、全国女性シェルターネットのDV被害者支援研修、レジリエンスの心のケア講座などに参加しました。
研修で得た知識や支援方法を、日々の相談や自助グループ、デートDV防止教育などの活動に生かしました。
東日本大震災の被災地支援
2011年3月の東日本大震災を受け、被災地支援のためのホットライン活動(パープル・ホットライン) にも参加し、相談電話を担当しました。
全国の支援団体と連携し、被災地から寄せられる相談電話を受けるなど、DVや性被害を含むさまざまな困難に直面した人への相談支援を行いました。


