本年度もNPO法人山口サポートネットワークのご支援をいただき、ありがとうございました。
DV被害者へのシェルター支援を継続するとともに、母子への心理教育や若い女性へのエンパワメント、居場所づくり、デートDV防止教育など、暴力からの回復と自立を支える取り組みを広げました。また、「つながりサポート山口」を通じて、DVに限らず、不安や孤独、病気、仕事、人間関係など、さまざまな困難を抱える女性への相談支援にも取り組みました。
DV被害者へのシェルター支援
2022年度は、20家族・35人をシェルターで受け入れました。
DVから逃れてきた女性と子どもが安心して過ごせるよう、安全な生活環境を整えるとともに、一人ひとりの状況に応じた支援を行いました。
県外から山口県へ避難してきたケースや、反対に県外の支援機関と連携して県外へ移るケースもあり、本人の安全とその後の生活を第一に、関係機関と連携しながら支援しました。
また、入所者には若い世代も多く、DVだけでなく、親との関係など複数の困難を抱えているケースもありました。こうした状況に寄り添いながら、シェルター退所後の生活も見据えた支援を行いました。
「びーらぶ」による母子への支援
DVなどの暴力を経験した子どもと母親を対象に、心理教育プログラム「びーらぶ」を実施しました。
2022年度は6家族が参加し、母親と子どもがそれぞれのプログラムを通じて、暴力について学びました。
子どもたちには、暴力を受けたのは自分のせいではないことや、暴力を使わずに人と関わる方法などを伝え、母親には、子どもの気持ちを理解しながら安心できる関係をつくるための学びを提供しました。
また、子どもがいない女性を対象としたエンパワメント・プログラムも実施しました。参加者が自分自身を見つめ直し、自分の力や可能性を取り戻していくための機会となりました。
さらに、「びーらぶ」の取り組みについて日本虐待防止学会で発表するなど、活動を広く知ってもらうための発信にも取り組みました。
安心して過ごせる居場所「かもみーる」
シェルターを退所した後も、安心して人とつながりながら過ごせる場所として、「かもみーる」の活動を続けました。
2022年度は、利用する人がより安心して過ごせるよう、事務所と同じ建物内にあるバリアフリーの部屋へ「かもみーる」を移転しました。
ここでは、スタッフや同じ経験を持つ人と話したり、子どもたちが遊んだりしながら、家庭や社会の中で孤立しないためのつながりをつくっています。
シェルターを出た後も、必要なときに戻ってこられる場所があることが、生活を立て直していくうえで大きな支えとなりました。
つながりサポート山口」による相談支援
2022年度も、山口県から受託している「つながりサポート山口」を通じて、さまざまな困難を抱える女性からの相談を受けました。
相談は電話、メール、SNSなどで受け付け、必要に応じて面接や訪問、同行支援なども行いました。
相談内容はDVに限らず、不安や孤独、病気、仕事、人間関係、家庭の問題など多岐にわたりました。なかでも、不安や孤独など心の問題に関する相談が多く寄せられました。
「具体的な解決策を求めているわけではないけれど、誰かに話を聞いてほしい」という相談にも耳を傾け、相談者が孤立せず、必要な支援につながることを大切にしました。
また、ハローワークからの依頼を受けた相談会など、他機関とも連携して支援を行いました。
デートDV防止教育
若い世代がDVやデートDVについて知り、暴力のない人間関係について考える機会として、デートDV防止教育を継続して実施しました。
講座では、恋人同士であっても相手を傷つけたり、行動を制限したりすることは暴力であること、自分も相手も大切にする関係とはどのようなものかについて、生徒たちと一緒に考えました。
講座の前後にはアンケートも実施し、受講による意識の変化を確認しました。
支援者を増やし、地域で支えるために
2022年度は、これまで行ってきた支援を継続するだけでなく、地域の中で支援を担う人材を増やしていく取り組みにも力を入れました。
「びーらぶ」のプログラムを地域で実施していくための人材育成や、学会などでの活動報告を通じて、DVや虐待の被害を受けた女性と子どもへの支援について、広く知ってもらう活動を行いました。
また、「日本の学生2万人にデートDV防止講座を!」という取り組みにも協力し、若い世代への予防教育を広げる活動にも取り組みました。
来年度もご支援をよろしくお願いします。


